Sam Rictus – Hypsignatus
サタニスト兄弟という触れ込みでデルニエ・クリからデビューしたユニット「Rictus Dome」の片割れ、サム・リクテュスの単独作品集。彼の相棒にして同郷のツレであるジュ(リアン)・リクテュスが空間恐怖症的な緻密画でヘヴィメタルへの偏愛を表すのに対し、サムはクトゥルフ神話的なクリーチャーを幾何学的に、時には大胆な筆致で描くことを得意とする。同じメタルでもスラッシュメタル寄りというか、アメリカ西海岸のスケーター文化との親和性さえ感じさせるその画風はポップでさえある。マルセイユでパキート・ボリノからシルクスクリーン印刷を学んだ彼は現在、故郷でその技術を子どもたちに教えているようだ。因みにRictus Domeは俵谷哲典とのコラボレーション作品集もデルニエ・クリから出版している。
アート倉持