Pakito Bolino – ODYSEX
こちらもタイムレス・エディションからの出版されたパキート・ボリノの本。デルニエ・クリは「眼球からの嘔吐」というキャッチコピーを最初期から打ち出してきたが、実際パキート自身の作品にも眼球というモチーフはよく表れる。「フランス」「眼球」という二つのキーワードの並びからはバタイユによる背徳的な小説「眼球譚」のことが直ちに想起されるものだが、実際のところはどうなんだろうか。パキートの絵や漫画を見ていると、冷戦末期の西欧社会におけるカウンターカルチャーとしてのポストパンク〜インダストリアル的な感性に貫かれたモチーフの数々がメタファーともどもメルトダウンし、ドロドロの状態から再びクラシックな怪奇の創造を試みているような、そんな印象を抱かされるものだが。彼がデルニエ・クリの活動を指して「グラフィック・ウォー」だと明言していたことを思い出す。
アート倉持